【記 録】
(2月28日)
朝6時、大高宅で待ち合わせして出発。林道は程よく雪が被っていて、快適に赤岳山荘駐車場まで車を走らせることができた。この日は稜線までの偵察の予定。
駐車場から南沢を登り、北西稜への入り口まで2時間。入り口には黄色テープの目印があり、その横に短い緑色のロープが渡してある。荷物をデポし、ワカンを装着してスタート。
古いトレースの上に降雪があり、足は潜るが道程はわかる。涸沢を詰めて、右に稜線に上がる箇所にも黄色テープが見られる。当初、露岩までで引き返す予定だったが、1時間かからずに着いたので、もう少し上まで進み14時になった時点で引き返す。
日本列島の真上に高気圧があり、無風、快晴、絶好の登山日和。稜線からの眺めが素晴らしい。この夜は赤岳鉱泉に泊まる。
(2月29日)
朝4時30分起床、5時30分発。前日、行者小屋付近にデポしておいた荷物を収拾。黄色テープ6時30分、露岩7時30分。緊張してあまり眠れなかったためか、足取りが重く、気も重い。
天候は、昨日とは打って変わって小雪が舞っている。しかも予報よりも風が強く、ガスで上部が見えない。リッジを少し行ってみるが、雪の状態はあまり良くなさそう。楽しくないのは明らかで、続行すべきか、来週に時間があるので出直すか迷う。そして、相談の結果、今日は止めようということになる。
ギアを片付けて稜線を下り始めると、なんと青空が見え始め、ガスも薄くなってきた。そもそも、八ヶ岳にしては気温が低くない。やっぱり行こう!ということになり仕切り直す。ここで1時間の時間と体力をロスしてしまう。
ノーロープでリッジを行くが、リッジの2P目に該当する箇所が、悪い。大高祐美はここでビビる。前回来たのは10年以上前の3月だったが、難しい印象は第2岩壁だけだった。ということで、第一岩壁はリードしようと思っていたが、手に負えないと判断し、越野さんに全面的にお願いすることにする。
10時30分、1P目スタート。右側を巻き、ダブルアックスでトラバース後、右上に上がり、上がったところにペツルが1個で確保。よく見つけたなと感心する。途中は1箇所の岩以外は支点取れず。2P目は、短いが見た目より悪かった。途中に2箇所ランニングが取れる。雪を落としていくので時間が費やされる。
3P目はトポではW級になっているが、一番安定していた。そして、核心の4P目。越野氏におんぶに抱っこのわたしには、応援することしかできないので、声援を送る。彼は、「悪い。」を連発しながらも見事に終了点へ。
今度は上から声援を受けながら自分が登るが、最後の2手くらいで若干かぶり気味になってしまいパンプ。ヘロヘロになりながら第二岩壁終了。
前回の記憶は曖昧だが、右隣のラインを登った気がする。簡単な雪面を登り、15時30分北西稜終了。
ロープを片付けて、御小屋尾根を下る。御小屋山から駐車場にダイレクトに下りる道もあるようだが、トレースがなく、日没も近いため、そのまま下りて18時35分美濃戸口着。車を回収しに行くというおまけ付きとなる。八ヶ岳山荘のスタッフさんが、優しく声を掛けてくれたのがとても有り難かった。
今回は、越野氏の技術と気合で登らせていただいた以外の何物でもなく、自分のドライの技術の低さが判明した山行となった。練習不足=自信不足を実感した。
次回の山行で頑張ろう。
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